ConceptReviewed
統合事業計画(Integrated Business Planning、IBP)
名称バリエーション
- 英語
- Integrated Business Planning (IBP)
- 漢字
- 統合事業計画
品質 / 更新日 / COI
- 品質
- Reviewed
- 更新日
- 出典
- 出典・信頼
- COI
- none
TL;DR
IBPはS&OPを拡張し、需要・供給の計画を財務と戦略へ結び付けて、シナリオ別の意思決定を可能にする統合計画で、成長・サービス水準・キャッシュのバランスを一つの枠で扱える。
1行定義
IBP(Integrated Business Planning)は、需要、供給、在庫の計画を、財務目標と戦略優先度に整合させる部門横断の計画アプローチである。基本のS&OPに比べ、企業全体の統合度を高め、シナリオプランニングを強化し、売上、粗利、キャッシュなどの結果へ明確に接続する点が特徴となる。目的は、計画を“部門別の別々の数字”から“ひとつの経営システム”へ変え、リードタイムの長い制約や不確実性の中でも、トレードオフを見える化して意思決定できる状態を作ることにある。
意思決定インパクト
- 企業全体のトレードオフ判断で、オペの選択を売上・粗利・キャッシュへ接続し、意思決定の根拠を揃えられる。
- レジリエンス計画で、想定シナリオと対応策を事前に用意でき、ショック時の意思決定が速くなる。
- 投資や能力計画で、長いリードタイム制約を早期に可視化し、後手の特急対応を減らせる。
要点
- 財務を明示的に統合する。オペの計画が財務目標と別物だと“統合”にならない。
- シナリオにトリガーを持たせる。指標が閾値を超えたら何をするかを先に決める。
- 定義とデータを揃える。カレンダーや指標定義がズレると統合が崩れる。
- ガバナンスを明確にする。権限とスポンサーが無いと部門間の衝突が解消できない。
- 最初はシンプルに始める。完璧を求めると定着前に疲弊して止まりやすい。
誤解
- IBPはツール導入ではない。中核はガバナンスと意思決定の仕組みである。
- サプライチェーンだけの計画ではない。財務、営業、経営の整合が必須になる。
- シナリオ数を増やせば良いわけではない。選択肢が多すぎると意思決定が遅くなる。
最小例
季節変動が大きい企業がS&OPを回していたが、ボラティリティで財務目標を外していた。そこでIBPとして、需要計画を売上とキャッシュ予測へ接続し、シナリオを追加する。シナリオ1は通常需要、2は需要15%減、3は供給断を想定し、それぞれで販促費調整、購買抑制、能力再配分、重要顧客の優先などの対応策を定義する。先行指標で需要の弱含みが見えた時点で、シナリオ2の対応を前倒しで発動し、在庫の積み上がりを抑えてキャッシュを守った。経営は“統合された一つの計画”をレビューでき、オペと財務の整合が改善した。加えて、シナリオごとの意思決定権限と承認期限を定め、対応が遅れない運用にした。
出典・信頼
- Principles of Management(OpenStax)